離島キャンプで脱・スマホ依存、子どもたちに変化の兆しが|TBS

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記事の要約

  • 瀬戸内海の小さな離島でインターネットにつながらないことを目標に、4泊5日を過ごす。
  • スマホ依存の子が、「みんなでトランプしている方が楽しい」からと短時間でスマホで遊ぶのをやめた。
  • リアルの世界の友達と遊んで、楽しいものを作って楽しいというのを徹底して彼らに体験してもらう。
離島キャンプで脱・スマホ依存、子どもたちに変化の兆しが・・・
 深刻さを増している「スマホ依存」の問題です。スマホなどを通じてネットに依存傾向のある中高生は、少なくともおよそ105万人にのぼるという調査結果もあります。こうした状況を改善するため、ある取り組みが行われています。その舞台は、離島です。  夏休みの真っ只中、自然に囲まれ、キャンプを楽しむ子どもたち。しかし、これはただのキャンプではありません。  「ゲームが好きな子、この子で8時間」  参加しているのは、スマートフォンなどに依存傾向にある子どもたちです。小・中・高校生、あわせて14人が参加しました。場所は兵庫県、瀬戸内海に浮かぶ小さな離島。電気や水道は通っていますが、インターネットにはごく限られた場所でしかつながりません。  中学2年生の荒木星矢くんは、親の勧めで嫌々キャンプに参加した1人です。出発の前日、自宅を訪ねてみると、ベッドに横になりながら、手元にはずっとスマホが。  「星矢、これ食べて。持って」(荒木星矢くんの母親 淳和さん)  最近では食事も1人でとるようになり、部屋から出てくることも少なくなったといいます。 Q.家にいるときは何してる? 「(スマホで)ゲーム」(荒木星矢くん)Q.普段どのくらい使う? 「長いときで4~6時間、短いときで1時間」(荒木星矢くん)  自分のスマホを持ったのは、中学1年生のとき。ここから生活は一変しました。みかねた父親の正彦さんは、平日は1日1時間まで、休みの日は2時間までといったルールを作りましたが・・・  「こんなの(スマホルール)見ても無視。持ったらずっとやってるのが実際。向こう(キャンプ)に行って、改まって、なぜスマホを自分が使うのか。見直すという意味では意義があるのかなと」(荒木星矢くんの父親 正彦さん)  そして迎えたキャンプ当日。出発前も、船に乗り込んだあとも、星矢くんは片時もスマホを手放しません。  午前11時、島に到着しました。島では子どもたちはスマホを預けるルールです。極力、インターネットにつながらないことを目標に、4泊5日を過ごします。新しくできた友達と海で遊んだり、自分たちで食事も作ります。スマホなしでキャンプを満喫できるように隙間なくプログラムが組まれています。  楽しむ子どもたちの一方で、親たちが集まる座談会では・・・  「(朝方)つけっぱなしで寝てると思ったら、YouTube見てる。本人に依存しすぎと言ったら『そんなことない』と」(参加者の母親) 「(キャンプは)嫌がるだろうと思ったので、最初は本人に伏せて(来させた)」(参加者の母親)  スマホを一切触らずに5時間半が過ぎた午後6時半ごろ。星矢くんは友達から離れ、ある場所にやってきました。  「俺が最初や」(荒木星矢くん)  ここは、特別にインターネットがつながるように設定された、通称「スマホ部屋」です。今回のキャンプでは、夕方の1時間だけ、あえてスマホを使える時間を作っているのです。  「星矢、何のゲームしとん? 」 「モンスト」(荒木星矢くん)  この日、スマホ部屋にやってきたのは14人中、たった2人だけでした。  この時間をどう過ごすのか、自分とスマホの関係を見つめ直してもらうのが目的のひとつです。  「きょうはこんなちょっとでいいの?」(コーディネーター 竹内准教授) 「きょうは何かやる気がない」(荒木星矢くん) 「戻ってみんなと遊びたい?」(コーディネーター 竹内准教授) 「うん」(荒木星矢くん)  1時間も経たないうちに友達のいる部屋に戻ってきたのです。極力、スマホは使わないという目標は達成できるのでしょうか。  この日のプログラムは、竹を使った箸作りやスイカ割り、うどん作りなど。前日の夜、スマホを使ってしまった2人も、全く触らずに24時間が経過しました。  この日の自由時間、スマホ部屋には星矢くんの姿がありました。  「(キャンプ)終わって毎日1時間しかしないのは、ほんまに無理。これは5日間で終わるやん」(荒木星矢くん)  スマホとの向き合い方について考えている様子。  2日間を通してスマホ部屋を利用しなかった子どもたちは、スマホを使いたくならなかったのでしょうか。  「みんなでトランプしている方が楽しいからこっちのがいい」  スマホ依存から脱却するために必要なこととは。  「使わなくても面白かったから、(スマホを)やろうと思わなかった。逆に言うと普段はないんだなと。リアルの世界の友達と遊んで、楽しいものを作って楽しいというのを徹底して彼らに体験してもらう」(キャンプコーディネーター 兵庫県立大学 竹内和雄准教授)  キャンプ中に見られた変化の兆し。これを子どもたちの意識の変化につなげられるかがカギになりそうです。(18日20:06)